ぎっくり腰?
仕事が一段落した夕方。
「うう〜あ〜あ〜」
座りっぱなしで固まった身体を伸ばす。
と、ここまではいつも通り。
しかし、その日はその後が違った。
「うう〜あ〜あ〜!痛っ!あれ?痛っ!え〜?!」
椅子から立ち上がろうとすると腰に激痛が走る。
肘あてに両手をついた体勢から身動きがとれないのである。
「これが噂のぎっくり腰か?」
ぎっくり腰は西洋では、突然襲って来るその痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれているという。
まさにその名にふさわしい強烈な一撃である。
後日病院へ行くと、腰に極度の疲労が溜まっていて、腰の筋肉が本来の役割を果たしていないとの事。
完治するまでの期間は、どれだけ安静にしていられるか自分次第。
健康だけが取り柄だった僕には、悲しくショッキングな出来事である。
診察の途中、看護師さんに支えられ、そろりそろりと診察台から降りる僕。
その時、レントゲン室の前で担当の若い女性看護師が、ふふっと笑ったのを僕は見逃さなかった。
—あの女は、僕に一撃を加えた魔女なのでは?
僕がこの病院に来るのを待ち構えてて、あのレントゲン室に入った途端に変身して…
などとSF小説的な事を考えたりする余裕は、その時の僕にはまったく無ったのである。
…そんな話はさておき、本題へ。
先日読んだ本の「シャトゥーン」に刺激を受け、今度はこれを読んでみた。
■羆嵐/吉村昭/新潮文庫
〈個人的に〉
この話は北海道で大正4年に起きた、獣害のドキュメンタリーである。
当然実話であるから、恐怖を煽るような描写も、最近流行りの衝撃のラストもない。
北海道の自然やヒグマの生態、事件の詳細が生々しく描かれ、それがより恐怖感をそそる。
いや正確に言うと、恐怖というより心細さを感じると言うべきかな?
「熊出没注意」の看板がある、人気のない山道を歩くあの感じ。
北海道を旅した事のある人なら、一度は経験した事あるでしょう?
この本はあの感じをリアルに感じさせてくれる一冊。
超個人的お勧め度:★★★
〈あらすじ〉
北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻き込んだ一頭の羆出現!日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起こった。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音…。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長篇。(背表紙紹介文)
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横山秀夫最高傑作。
















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